ナノリットルコアと抗酸化性磁性液体シェルを持つ
コアシェルエマルションの作製と制御

内田 幸明
(大阪大学大学院 基礎工学研究科 物質創成専攻化学工学領域 准教授)

2014年6月23日月曜日

投稿した論文が雑誌の表紙に選ばれました

私が指導するD1の岩井陽典君の論文がJournal of Materials Chemistry Cの表紙に選定されました。表紙の作製は私と岩井君で協力して、4日ほど掛かりました。
Journal of Materials Chemistry C誌はイギリス王立化学会が出版する論文誌です。
題名は"Chemiluminescence Emission in Cholesteric Liquid Crystalline Core-shell Microcapsules"です。

この論文では、前回お話したコアシェルW/O/WダブルエマルションのOilの部分が、液晶になっている液晶カプセルを扱います。上の表紙では、濃い青色で示してある部分です。
この液晶はコレステリック液晶と呼ばれるものですが、らせん構造た特殊な液晶です。一般に液晶ディスプレイに利用されているものとは少し異なります。らせん構造の周期がある特定の長さのときに、光を強く反射する性質を持ちます。
この液晶カプセルに過酸化水素を検知して光る仕組みを持たせたというのが、この論文の趣旨です。
順番に説明していきます。

前回も少し出てきましたが、皆さん、ルミノール試薬というのはご存知でしょうか。そうです、犯罪捜査の時に血液がついているかどうかを調べるアレです。ルミノールと過酸化水素を混ぜて、血液に吹きかけると、血液の中の金属イオンによって、反応が進み、発光が起きます。
詳しく言うと、金属イオンが触媒となって過酸化水素がルミノールを酸化して、その生成物が出来たときにすでに励起状態となっており、基底状態になる時に発光するという仕組みです。
このような発光を化学発光といって、ホタルが光るのも化学発光です。余談ですが、少し前に我が家の前にもたくさんのホタルが飛んでいました。

この論文では、カプセルの中で化学発光反応を起こして、その光をコレステリック液晶で閉じ込め、エネルギーを集めて一気に特定の波長の光として放出することで、化学発光を利用した過酸化水素の検出限界を向上しようというのが目的です。
そのために、カプセルの中にルミノールと金属イオンを入れた液晶カプセルを作りました。このような液晶カプセルは世界初のものです。
そして、実際に過酸化水素を加えると、カプセルを浸透して他の液晶で出来たカプセルのものと比較して、強く光ることがわかりました。
現在、より強く光らせる方法を模索中です。

この研究の元になっているのは、コレステリック液晶のカプセルの全方位レーザーの研究です。私たちが昨年Advanced Materials誌に報告したものですが、コレステリック液晶のカプセルの作製自体も我々が最初に成功しました。良かったら、こちらの論文から読んでみてください。

2 件のコメント:

  1. タイトルを見て、「えっ?先生が表紙に載ったの?」と思いました。「そんな業界なの?」っとか、良く考えればわかるのに、完全に誤解しましたよ。(笑)

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    1. そういえばそういう風にも捉えられますね。タイトルを変えておきます。

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